おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
昨日、法務局に株式会社設立登記申請書を提出しました?当社は新たに法人として出発するわけですが、これまでの人生で「挑戦的な目標を掲げることで、ポンコツでダメな自分から目をそらしていた」僕は、挑戦的な目標なんてものは持たずに経営をしていきたいと思っています。
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法人になっても、いきあたりばったりの経営を変えるつもりはない
さて当社は法人成りをしたのですが、これまでと同様に一人株式会社でやっていく予定です。人を採用する予定もありませんし、事業を拡大する予定も特にありませんし、経営を通して自分を成長させようというつもりもありません。これまで同様、いきあたりばったりで経営をするだけですね。
「コンサルなのに、いきあたりばったりなんてけしからん!」
「こんな自堕落でいい加減なコンサルに関与される企業はかわいそうだ!」
と思われちゃいますかね?
まあ思われたところで、別に気にもなりませんけどね?
他の人はともかく、当社には目標も計画もいらないんですよ
経営に限った話ではないですが、我々は人生において、高い挑戦的な目標を設定し、そこから逆算して「いつまでに」「何をする」と決めることが、計画的でよいことだと思われていますね。僕もかつてはそう思っていましたし、そんなことをクライアントに対して熱く語っていました。
ところがこういう仕事をするようになって、たくさんの会社に関わってきましたが、どうも挑戦的な目標を立てて計画的に経営をすることと、その経営が順調であることには相関関係がないような気がしてならないんですよね。当たり前の話ですが、目標や計画を立てて経営をすることは、成功を約束してくれません。(成功とは何か、という定義の問題もありますけどね)。経営って、予期しない偶然の出来事に大きく左右されるんですよね。それはリーマンショックや東日本大震災というようなリスクかもしれませんし、降って湧いた千載一遇のチャンスかもしれません。現代は不確実性の高い社会なんですから、挑戦的な目標を立てたからといって、それが成功を保証してくれることなんてないんですよ。
そもそも僕自身、将来を見通す力がゼロだと思っています。これでも昔は「将来はこうなりたい」というような挑戦的な目標を持っていたんですよ。学生の頃には、大企業に就職して高い役職に上り詰め、世界を股にかけて世に名を残すような一角の人物になりたいと思ってましたしね?(抽象的な目標ですけど)。
でも実際は、そんな目標はまったく実現できず、次から次へと転職を繰り返す始末。どんな組織にも馴染めず、今では一人零細企業に「転落」した人生です。自分自身で目標を設定し、その実現のためにキャリアを積み重ねていくことを20年やってきましたが、こういうやり方がそもそも僕には向いていないんでしょう。むしろ、挑戦的な目標を掲げることで、ポンコツでダメな自分から目をそらしていたのだと思います。それに気がつくまで20年以上も費やしてしまいました。
子どもは目標も計画もなく、毎日楽しく生きている。それでいいんじゃないんですかね
僕が子供と遊んでいて気づくことがあるんですが、子どもって無計画、無目標なんですよね。やりたいこと、楽しそうなことに次から次へと目移りをしています。好奇心が押さえられないんでしょうね。とても楽しそうに遊んでいますが、遊んでいるだけかと思いきや、遊びの中から時計の読み方とか、お金の数え方とかを学んでいっているわけですよ。
僕も昔はそういう子供だったはずなんですけど、いつのまにか「やりたいこと」「楽しいこと」から「やらなくてはいけないこと」「やったほうが世間体がよいこと」を選んで生きるようになっちゃったんですよ。子供を見ていたら、そんなことに気付かされちゃうんですよね。
せっかく一人零細企業にまで「転落」した人生なんだから、その零細企業じゃないとできないことを味わいたいじゃないですか。20年以上も無駄に取り組んできた計画的な生き方は、もうお腹いっぱいなんです。さんざんやってきて、それでも自分の人生は思い通りになっていないんですからね。
だとすると、もう「やりたいこと」「面白そうなこと」の世界に生きるしか道はないじゃないですかね。
挑戦的な目標を機能させることは容易なことではないということは知っておきたい
ところで、高くて挑戦的な目標を機能させることは容易なことではないんですよ。
”THE PARADOX OF STRETCH GOALS: ORGANIZATIONS IN PURSUIT OF THE SEEMINGLY IMPOSSIBLE"(ストレッチ目標の逆説:一見して不可能な目標を追求する組織について)という論文があるんですけどね。
(SIM B. SITKIN, KELLY E. SEE, C. CHET MILLER, MICHAEL W. LAWLESS and ANDREW M. CARTON The Academy of Management Review Vol. 36, No. 3 (July 2011), pp. 544-566.)
この論文を(僕なりの解釈ですが)端的に説明すると、挑戦的な目標が機能するような組織とは、①時流に乗っている、②KPIの達成状況ももともと良好、③豊富な経営資源を持っている、という条件があるそうです。要はいろいろと"持っている"企業が設定すべき目標であって、僕のようなダメポンコツ零細企業が一発逆転のために設定するような目標ではないんですよね。
せっかくここまで「転落」してきたのですから、無駄に高い目標を掲げることはやめておきます。目標などもたず、「今ここを生きる」ような――目の前の「やりたいこと」「面白そうなこと」を追求するような――経営を自ら実践したいと思っています。
というわけで、挑戦的な目標なんてドブに捨てたいと思っているダメなポンコツ新米社長でした。今後ともどうぞよろしくお願いします?