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2次補正予算案閣議決定 持続化給付金約2兆円積み増し。何が拡充する?

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sおはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

昨日政府は、新型コロナウイルス感染症に対する経済対策として、2020年度第2次補正予算案を閣議決定しました。今年の新規創業者や、雑収入・給与所得として確定申告していたフリーランス等へ対象を拡充するものと思われます。

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2020年度第2次補正予算案の概要(財務省資料)

閣議決定された内容は、財務省が資料として公開をしています。令和2年度補正予算(第2号)の概要を見てみましょう。持続化給付金の対応強化として1兆9,400億円が計上されています。

「持続化給付金の対応強化」とはなにか?(推定)①支給対象者数の拡大

対応強化の意味するところのひとつ目は、支給対象者数の拡大にあると思われます。当初、第1次補正予算で持続化給付金は2兆円の予算を確保していましたが、この予算で約130万社を給付の対象としていました。しかし5月26日に梶山大臣が記者会見で述べたように、25日の時点で120万社が申請を行いました。つまり当初の予算が枯渇しつつあります。

どうして申し込みから1ヶ月程度で枯渇するような予算額しか1次補正では確保しなかったのでしょうか。最初の見積もりが甘かったのでしょうか?

日本の中小企業者数は、中小企業基本法ベースで約350万社、税法ベースで約620万社です(伊田 賢司『立法と調査』2016.10 No. 381)。持続化給付金の対象者は資本金10億円以下の中小企業ですから、後者の税法ベースのほうが持続化給付金対象の総数に近いと思われます。既にこの20%程度の申し込みがあったということですが、単月とはいえ前年同月比の売上が50%も下がった企業がこれほど多くあると経済産業省は見積もることができなかったのもあるでしょう。ただ、経済産業省の一方的な落ち度というわけでもなく、一部報道でもあるように、休眠会社やペーパーカンパニーを使って不正にこの給付金を受給しようとしている者もいるという背景もあるのだと思われます。

いずれにせよ、1次補正で確保した予算が尽きつつあるのは事実ですので、これを拡大するという意図がまずはあるものと思われます。

「持続化給付金の対応強化」とはなにか?(推定)②雑所得・給与所得等で確定申告をしたフリーランス救済

対応強化の意味するところのふたつ目は、雑所得・給与所得等で確定申告をしたフリーランスの救済です。現行の持続化給付金の制度では、確定申告の区分として「事業収入」で売上減少に直面している事業者しか給付の対象になりません。しかし一部の個人事業主・フリーランスには、税務署の指示にしたがって(本業の収入であるにも関わらず)雑所得や給与所得として確定申告をした人がいます。このような人は、給付の対象外となっています。

これが問題であることは大臣も認識しており、たびたび記者会見の場で「改善する」と述べています。5月22日の日本経済新聞報道によると、梶山大臣は会見において「雑所得や給与所得で申告している場合にも、業務の委託元が発行した支払い調書などを確認できれば給付できるようにする。」と述べており、これに対する措置が2次補正予算に計上されていると思われます。

「持続化給付金の対応強化」とはなにか?(推定)③今年新規創業者に対する救済

5月22日の日経新聞報道によると、政府は新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業への支援策として、今年1月1日から3月31日までに創業した事業者を対象とした給付金制度を新設するそうです。持続化給付金の対象外となった新規創業者への救済措置と思われます。

5月22日の日本経済新聞朝刊によると、対象者、支給条件、証明方法は次の通りと報じられています。

対象は1月1日から3月31日までに創業した事業者とする見込み。任意の一月を決めた上で1~3月の事業収入の平均と比べ、5割以上減少したことを証明すれば、最大100万円もらえる案を軸に検討している。

(中略)

政府は、毎月の収入を証明する資料を税理士などの第三者の署名付きで用意するよう求める考えだ。

(5月22日日本経済新聞朝刊)

これに対する措置も、2次補正予算に計上されていると思われます。

「持続化給付金の対応強化」とはなにか?(推定)④宗教法人・性風俗関連特殊営業等、従来対象外だった業種の救済

対応強化の意味するところのよっつ目は、従来は対象外だった業種の救済です。具体的には、5月14日にテレビ東京が「給付金『宗教法人』も対象に」と報じた件が挙げられます。

宗教法人はどうして対象外だったのでしょうか。中外日報によると「宗教団体等に公の財産の支出を禁じた憲法89条との関係が問題となる」とあります。しかしテレビ東京が報じたように宗教法人も「コロナの影響で葬儀などが大幅に減り、経営が苦しい寺などが増えている」と言われており、これを救済する意図があるものと思われます。

 

対象の可能性としてもう一つあるのは「性風俗特殊関連営業」です。「性風俗特殊関連営業」も「社会通念上、公的資金による支援対象とすることに国民の理解が得られにくいといった考えのもとに、これまで一貫して国の補助制度の対象とされてこなかったことを踏襲し、(今回も)対象外としている」(5/11参院予算委員会での梶山大臣の答弁)と説明しました。

しかしこの記事によると、5月22日経済産業委員会では、本多平直衆院議員の質疑に対し、梶山大臣が「支給対象外としているが、対応が可能かどうか検討を進めている。5月初めから検討の俎上には乗っている」と答えています。

宗教法人と性風俗関連特集営業を対象にするかどうかは、続報が聞こえてきません。これが2次補正予算で救済されるかどうかは不透明ですが、可能性はゼロとは言えないでしょう。

更に拡充が必要になった場合は予備費を活用する?

約2兆円の積み増しをしたといっても、1次補正予算の2兆円は1ヶ月たらずで底が見えてしまいました。2次補正予算の2兆円もすぐに尽きるのではないかという心配があります。

政府は「不測の事態に備える」として、2次補正予算に10兆円の予備費を計上しています。予備費は持続化給付金だけのものではありませんので、このうちどの程度が持続化給付金に充当できるかは全くわかりません。しかしこの予備費での対応もありうるものだと思います。

2次補正で拡充の対象となる者はいつから受付・給付ができる?

上記のように2次補正で拡充の対象となる企業、個人事業主、フリーランスは、いつから受付・受給ができるでしょうか。これからの流れとしては、予算案を国会に提出し、委員会で審議、本会議で可決・成立した後に受付開始、給付開始という流れになると思われますので、どんなに早くても給付が可能になるのは6月末で、その多くは7月以降となるでしょう。

こうしている間にも、固定費は重くのしかかり、手元の資金は枯渇していきます。政府には一日も早い対応を望みたいところです。

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