【内部監査レベルアップ講座】ヒューマンエラーの是正処置にダブルチェックはホントに有効?(2)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

内部監査レベルアップ講座として、現場で是正処置として扱われがちな「ダブルチェック」について解説をします。2回目の今回は、内部監査の場でどうダブルチェックを扱うのがよいのかを解説します。

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前回の記事はこちら

内部監査でダブルチェックをどう扱う

さてここからようやく本題です。内部監査でダブルチェックをどう扱うか、について話していきましょう。

ここまで、ダブルチェックはあんまり意味がないという話をしてきましたが、だからといって内部監査の場でいきなり「ダブルチェックは意味がないので止めてください」みたいなことを指摘するというのも、ちょっと強引ですよね。

内部監査で確認をするとすれば、まずはダブルチェックが導入されている現場で、効果が出ているかどうか……つまりミスが本当に減っているかどうかをデータで確認したいですよね。もしミスが減っていないようであれば、ダブルチェックの有効性を再検討するように改善推奨事項を出すこともできそうです。

ミスが減っているという場合も、その現場で生産性が落ちていないかどうか、みたいな点も内部監査で確認できればいいですよね。ミスは減っているけれども、その現場での一人あたりの生産量も減っているとか、残業が増えているみたいなデータが見られたら、それはダブルチェックが現場の負担になっているせいで生産性が落ちている恐れがあります。

また、ダブルチェックを実際にやっている現場を見せてもらって、どのようにやっているかを監視するほか、チェックをやっている作業者にヒアリングして、ダブルチェックの有効性を現場第一線の人たちがどう感じているかを確認するのも良いと思います。

是正処置の妥当性の確認時にも気をつける

内部監査員の役割として、是正処置の妥当性を確認するという役割もあります。その時に見ておきたいのは、「ダブルチェックをする」と言う改善策が、一足飛びに出されていないかどうか、ということです。

要はミスの原因の切り分けが必要だと言いたいんですけれども、もう少し具体的に説明をしましょう。

ミスが起きたときにまず確認したいのは、ミスをした人が作業標準を知っていたかどうかです。作業標準を知らなかったというのならば、是正処置は、標準を教える教育になるはずです。

次に、作業標準は知っているけれども、そのとおりに作業ができないというのであれば、この場合の是正処置は訓練になりますよね。

一方、作業標準も知っているし、そのとおりに作業もできるけれども、守るつもりがなかった、というのであれば、標準を守る意味や重要性を説明するなどの動機づけが是正処置になるでしょう。

これらが全てイエスであったとしても、ポカヨケを導入したり、もっと守りやすいように標準を変えたりするという選択肢もあって、ダブルチェック以外にまだやれることはあるはずですよね。

ダブルチェックをするのならば、暫定措置として導入して、その間に根本対策をじっくり検討する、いずれダブルチェックは辞める、というようなやり方が望ましいですね。そもそもダブルチェックは、ミスを見つける手段であって、ダブルチェックではミスの再発防止にはなりませんからね。

「ダブルチェックをする」という是正処置に安易に飛びついていないかどうかを、この図のような順を追って、内部監査員としても確認したいところですね。

ダブルチェックは、ミスを見つける手段であって、ミスの再発防止にはならない

記事の中でも説明しましたが、そもそもダブルチェックは、ミスを見つける手段であって、ミスの再発防止にはなりません。規格が要求しているのはミスや不良の再発防止策なので、やはりダブルチェックを対策にするというのは物足りないでしょうね。

でも現場ではダブルチェックを選んでしまいたくなるので、内部監査を一つのきっかけにして、ダブルチェックの有効性について確認していただくのがいいのかな、と思います。

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士