おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
エンゲージメント向上のための理論の一つである「リカバリー経験」理論について解説をします。「リカバリー経験」とは「従業員を休ませたらやる気が回復する」という当たり前の理論です。3回目の今回は「リカバリー経験」を実現する具体策について解説します。
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パフォーマンスを高める よい「休み方」とは?(リカバリー経験)(1)
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パフォーマンスを高める よい「休み方」とは?(リカバリー経験)(2)
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「リカバリー経験」が示す4つの休み方を実現するには具体的方法
では、この4つの休み方を実現するには具体的にどういう方法があるかを考えてみましょう。これからお話する方策は、私がこれまで見たり聞いたりしたもので、実際の企業で取り入れられている方策です。
まずは「心理的距離」を会社としてどう実現するかということですが、昔ながらのやり方としてはノー残業デーを設けるというのがまっさきに浮かびます。ノー残デーは形骸化しやすいんですけれども、最近では設定した時刻になったら、パソコンを強制的に終了するシステムなんかもあるんですよね。ノー残デーが組織に定着するには、仕事をやめて帰るように、経営側が積極的に働きかける必要があるでしょうね。あとは変わったところでいうと、脱スマホ手当というのもあるみたいです。スマホを止めてガラケーにする従業員には、月何千円かの手当を出すというような制度です。スマホがあると、ついメールを見たり、仕事に関係する調べ物をしたくなったりしますからね。
続いて「リラックス」の実現方法です。これも昔ながらのやり方としては、保養所なんかがありますよね。最近では大手でも直営の保養所を持つところは少なくなったので、民間のホテルなどの借り上げ型保養所とか、エクシブとかラフォーレとかの契約保養施設とかが一般的なんでしょうけど、こういうところを使ってもらうのも手ですね。タイムリーなところでは、カフェテリアプランで“全国旅行支援”の対象プランを設けているところがあったりしますね。ユニークなところでは、会社が東京ディズニーランドのチケットを従業員にプレゼントするなんていうところもあるようです。あとは記念日休暇とかリフレッシュ休暇を設けて休んでもらうというのもあります。
続いて熟達です。これも昔ながらのやり方だと資格手当を与えるといのが真っ先に浮かびますが、最近流行りの副業の許可も、もしかしたら仕事以外での習得体験を積む機会になるかもしれません。キャリア休職制度というのは、私費の留学をするために2~3年くらい休んでもいいよという制度です。クリエイティブ休暇というのもあって、心身のリフレッシュと自己啓発のために、5日間程度の休暇が取れるようにしている会社もあるそうです。なお、熟達に関しては、仕事とは直接関係のないことに取り組むというのがポイントですね。仕事にダイレクトに直結するような習い事とかだと、かえってやらされ感が募るかもしれません。仕事に直接は関係のないことが、めぐりめぐって仕事に好影響を与えるというのは、有名なところでいうとGoogleの20%ルールなどと同じ考え方でもありますよね。
そして最後の「コントロール」ですね。最近ちらほら聞く事例としてはサバティカル休暇というものがあります。これは、一定期間勤続した従業員に対して、おおよそ数か月から1年程度の長期休暇を与える制度です。さすがに1年も休みがあれば、好きに時間を使えるでしょう。あとは病休制度とか、介護・育児休暇制度を手厚くするというのも手ですね。なんでこれが「コントロール」なのか?というと、病気や介護・育児で休んでも、休みの時間を自分の好きに使えないからです。ですので病気や介護・育児は、ちゃんとそれを目的とした有給を与える。これとは別に、自分が休んで好きに過ごせるような年次有給休暇を取れるようにする、という感じですかね。
「従業員を休ませたらやる気が回復する」という、当たり前のことを言っている理論なんですけど、この当たり前のことが、多くの会社ではなかなかできないんですよね。人を固定費としてしか見れなければ、極限まで働かせようという発想になるんでしょうけれども、我々はみな人間です。充実した休みを過ごすことが、結果的には従業員のエンゲージメントとパフォーマンスを高めるんだということをわかっていただきたいです。