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「日本人は集団主義的で、欧米人は個人主義的」という通説は誤りだった?

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

「日本人は集団主義的だからチームワークも思いやりもあって、個人主義的な欧米人とは違う」という考えは人口に膾炙していますが、これは本当かな?と常々疑問に思っていました。実は、必ずしもそうとは言えないという研究結果があります。

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「日本人らしさ」の一つとしての集団主義

僕は仕事で外国人と接することが多いのだけれども、よく「日本人は集団主義的ですね」みたいなことを言われます。これは別に悪い意味で言っているのではなくて、協調的であり、和を重んじ、いわゆるチームワークがよいという意味で言ってくれることが多いように感じます。

一方、日本人側のわれわれも「そうそう。日本人は集団主義的なんだよ。それに引き換え、外国人は個人主義的だよな」などと言う人が多いように思います。この考えって、ひとつの「日本人らしさ」として認知されてる感じですよね。

確かにそういう一面があることは否定しないのですが、ずっと僕は疑問に思っているんですよ。社会人になってン十年経つけど、大人の日本人といえども、自分勝手な人はたくさんいたし、会社でやってた小集団活動だってうまくいったためしがないし、今の僕だって組織を辞めて一匹狼になってるし、細かい反証を挙げればきりがないけれども、本当に「日本人は集団主義的」といえるのか?と、常々疑問だったんですよね。

『日本人は集団主義的』という通説は誤り

いろいろ調べてみると、次のような本を見つけました。

この研究内容のサマリーは下記のページからも無料で読めます。

この研究によると

「日本人は集団主義的、欧米人は個人主義的」という日本人論の通説は、事実を正しく言いあてているとはいえないんだそうだ。断っておくけれども、日本人は集団主義的じゃないといい切っているのではなく、欧米人と大差がない、と言ってるので注意してくださいね?

この研究では、日本人と、主に(世界で最も個人主義的と言われる)アメリカ人との集団主義・個人主義的傾向を、心理学研究の見地からメタ分析(複数の研究結果の総括的な分析)しています。(詳しい内容はリンクを見てください?)

「らしさ」が広まるプロセス

上記のリンクに「なぜ日本人=集団主義が広まったのか」の考察があるのだけど、これが結構興味深い。

ちょっと長いけれども引用します。

この通説は、戦後間もない時期に出版された、アメリカの人類学者ルース・ベネディクトの著書『菊と刀』によって世間に広まったと言われている。この時期、「日本人は集団主義的だ」という主張に接したひとびとは、戦時中に日本人がとった、見まがいようのない集団主義的な行動を脳裡に甦らせ、この主張に頷いたのであろう。

(中略)

戦後まもなくの時期、「日本人は集団主義的だ」という主張に接したひとびとは、日本人が戦時中に見せた集団主義的な行動を思い起こしたとき、この対応バイアスの作用によって、歴史的な状況を視野に入れることなく、「日本に特有の文化・国民性が原因だ」という主張に納得してしまったのではないかと考えられる。

なるほど。つまり、影響力ある人の考察に、個人の実体験が重ねられて、あたかもそれが事実であるかのように広がったということですね。こうやって「らしさ」が広まっていくという、一つの例でもあると思います。

根拠の乏しい「らしさ」

確たる根拠もない「○○らしさ」を信じ込み、それにそった言動をするのは、実は怖いことです。例えば、集団主義を日本人らしさだと信じていれば、会社に置いて上司は部下に「日本人なら和を乱すな!」と圧力をかけてくるだろうし、集団になじめない人は「自分は日本人なのに、集団に馴染めないダメな人間だ」と卑屈になる。

「らしさ」から逸脱する人は攻撃対象にもなるし、自己嫌悪の原因にもなる訳ですね。唐突ですが、僕が20代の終わりくらいの頃、東京で働いていた時、当時の上司に飲み会の席で

「おい、今やん(当時のあだ名)は関西人だから、六甲おろし歌えるだろ?今、歌ってみてよ」

と言われたことがあります。つーか今思うとこれ、パワハラですよね?

当時の上司の頭の中では、関西人=阪神ファン=六甲おろし、とステレオタイプ化されていたのだろうけど、関西人でも阪神ファンじゃない人や、六甲おろしを歌えない人は当然にいる。(うちの配偶者様は六甲おろしを歌えない)

下記の記事によると、近畿地方における阪神ファンの比率は45.3%であり、2位は巨人(15.6%)なんだそうです。関西における阪神ファンはマジョリティではあるが、それでも過半数ではないし、巨人ファンはその1/3近くいる、とも読めるわけですよ。

「○○らしい」というステレオタイプの多くには根拠がないし、それが全てのケースに当てはまるわけではない。「そういう人もいるし、そうでない人もいる」というのが、もっとも現実を反映していると思うし、それ以上でもそれ以下でもないと思う。

「人それぞれ」ですよ。あまり「らしさ」にとらわれすぎず、もっと曖昧なままで生きていけたらいいのになあ?

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