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日本の現行中小企業政策(補助金・委託金)ではスタートアップ支援にならない?

更新日:

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

スタートアップの重要性が注目を集めていますが、政府や地方自治体の行う現行の支援制度は十分とはいえません。現行制度の問題点を指摘した資料を見つけましたので、紹介をしたいと思います。

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スタートアップ向けの補助金・委託金はどうあるべきか:欧米と日本の比較研究

見つけた資料は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員がまとめた下記の資料です。日本のスタートアップ向け補助金・委託金制度の現状と問題点について、諸外国の事例を交えた考察をしています。結論としては、既存の支援制度の変革が必要であるというものです。

日本の支援制度の課題

調査の結論と言っても良いと思いますが、日本の支援制度の課題は下記の4点にまとめられています。

  1. 日本のスタートアップ向けファンディング・プログラムの予算は、欧州に比べて対GDP比で10分の1程度と開きがあります。今よりも大規模で安定した予算を確保し、せめて欧州並みに近づけていく必要があります。
  2. VC側の資源も限られている中、日本のSTS型プログラムを拡大化していくことは難しい状況です。欧州型のシンプルでスマートな制度設計を参考にしつつ、米国型の課題設定・公共調達型のプログラムも導入することによって、誰もが提案し、参加できるファンディング・プログラムの構築が必要です。
  3. 審査においてもヨーロッパのように外部機関や人材を活用しながら合理的に仕組みを回していくことで、イノベーションの種の探索も可能になります。さらに科学技術の専門家にもプログラムの運営に関わってもらうことで、機能強化を図ります。
  4. 現行の補助金等適正化法および執行機関のローカルルールは大企業や中小企業向けの補助金制度として作られたルールであるため、スタートアップ向けの補助金支援に特化した執行ルールの策定が望まれます。

既存の中小企業政策ではスタートアップ支援にならない

課題の4にも挙げられていますが、現行の制度ではスタートアップ支援にならない、というのがこの研究の結論の一つとなっています。その部分についてもう少し詳しく見てみましょう。例えば記事中では、次のような説明があります。

中小企業政策とスタートアップ政策の区切りは難しい問題だと思います。(中略)日本は中小企業の支援の政策はサポイン事業然り、ものづくり補助然り、かなり充実していると思います。

しかし、実質的に日本は既存の中小企業がやはり強く、多いため、スタートアップが排除されやすいとも感じています。事務局側も、スタートアップに意識が向きません。個人的には中小企業支援という枠を増加していったとしてもスタートアップ支援にはつながりづらいと考えており、日本の場合はスタートアップ支援の枠組みを構築していかなければ厳しいのではないかと思っています。

ものづくり補助金も中小企業のイノベーション創出が目的ですが、実質95%以上が設備投資に使用されているのが現状です。事務局側としてもそのほうが検査も楽なため、予算は設備投資に流れがちです。スタートアップは設備投資を必要とするものでもないので、あまりものづくり補助金制度を利用することがありません。中小企業向けのプログラムではそういった点があるのではないかと思っています。既存中小企業向けの支援施策として制度設計をすると、スタートアップにとって使いづらいものになってしまう恐れがあるのではないかと感じています。

モデレーターである中小企業庁経営支援部技術・経営革新課(イノベーション課)課長補佐も、次のように語っています。(技術・経営革新課は、ものづくり補助金やサポインの担当部署です)

中小企業庁で中小企業向けの補助金を担当している立場として少し補足させていただくと、今J-Startupには、ものづくり補助金やサポイン事業の補助金を受けている企業が90社ほどありますが、そのうち約10社が補助金を利用しています。しかし、これではまだ利用社数が少ないと感じています。サポイン事業の補助金には、スタートアップの方たちが利用しづらい理由が多々あるのです。

例えば、制度上事業を3年間も継続する必要があります。また、費用負担額が全体の3分の1と、非常に大きいです。また、審査の面でもスタートアップは財務上赤字が続きやすいため、点数が足りずに採択されないというケースも散見されています。さまざまな古典的な中小企業向けの補助金制度でスタートアップを支援するということが馴染まなくなってきていると少し感じています。スタートアップ支援を打ち出した新たな制度を設ける必要があるように感じています。

非常に興味深いですね。ものづくり補助金やサポイン補助金では、創業間もない企業も申請が可能と制度上はなっていますが、「なじまなくなってきている」と中小企業庁自身が認めています。

現場感覚も同じく「現行中小企業政策ではスタートアップ支援にならない」と感じている

僕もこれまでに補助金支援をしてきましたが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングや中小企業庁の人が指摘していることと同じ現場感覚を持っています。すなわち、「現行中小企業政策ではスタートアップ支援にならない」という感覚です。

当社のブログでも何度か触れていますが、例えばものづくり補助金だと「体制面」「財務面」といった審査項目があります。これを満たすことが審査上加点される要素なのですが、創業間もないスタートアップが確たる体制を構築し、かつ財務面の安全性も高いという条件を満たすことは困難です。実際に(スタートアップが多いと思われる)個人事業主のものづくり補助金採択率は6%程度です。

しかしスタートアップの資金ニーズというのは多く、補助金に期待する声も確かにあります。当社にも「創業間もないのだが、使える補助金はないか」という相談を頻繁に受けます。しかし当社の回答としては常に「制度上はあるが、使用することは事実上困難」という回答をしています。仮に使用できる(採択される)としても、その膨大な事務処理負担をスタートアップが乗り切ることにはかなりの困難が伴うでしょうね。

この研究成果が政策実現に結びつくことを祈っています。そうならないと、「スタートアップを増やして経済を盛り立てよう」というのは、単なる空念仏に終わってしまうでしょうね。

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