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【環境法令解説シリーズ】化審法と化管法って何がどう違うの?

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

環境法令解説シリーズ、今日は化学物質に関する環境法令を解説します。化学物質に関する法令にはいろいろあるんですが、今日はそれらのうち、名前が似ていて混同しやすい化審法と化管法について、その主だった違いと、それぞれの法律の概要についてわかりやすいく解説をしたいと思います。

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化審法と化管法の違い まとめ

まず結論めいたものから先にお話しましょう。化審法と化管法の違いは、おおざっぱにこういう感じにまとめられます。

化審法の正式名称は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律です。この名称からわかるように、審査や規制を目的とした法律です。一方化管法の正式名称は、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律です。これも名称から察することができますが、排出量の把握や管理をしっかりやるための法律ですね。化管法は、一般的にはPRTR法と呼ばれることもあります。化管法は確かにPRTR法とも呼ばれますが、実は化管法で定めているのはPRTRだけではないんですね。これ、少し紛らわしいのであとで詳しく説明します。

また、それぞれの法の目的、狙いとするところもも違います。化審法は、新規の化学物質の製造・輸入を審査する制度であり、化学物質の性状に応じた規制を行うというのが目的です。一方の化管法は、特定の化学物質の排出量を把握すること、それと事業者による化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供を目的としています。化審法は審査・規制が目的であり、化管法は排出量の把握と情報提供が目的、ということです。ちょっと違いますよね。

主な対象企業を見てみましょう。化審法は、主には、化学品の製造業・輸入業等(一般化学物質の場合、年間1トン以上製造・輸入した事業者)や、規制対象となっている化学物質を輸入してものづくりを行う企業等が対象です。こうした企業は審査を受けたり規制を受けます。化管法のうち、排出量の報告義務があるのは、化学物質を使う企業で、ここの3つを満たす企業つまり①24の対象業種、②全事業所合算で、常時使用する従業員数が21人以上、③規制対象となっている化学物質の年間取扱量が一定以上の事業所があるという企業が対象です。こうした企業は、報告義務があります。

主な規制物質にも違いがあります。化審法の規制対象の代表例はPCB(ポリ塩化ビニル)です。一方、化管法の第一種・第二種指定物質は来年以降649物質になります。化管法に関連するメジャーな物質は有機溶剤、トルエンがあります。

化審法で求められている3つの内容

化審法についてもう少し詳しく見てみましょう。化審法で定めている内容は大きく3つあります。

一つが、新規化学物質に関する事前審査です。新規化学物質というのは、その名のとおり新しい化学物質なんですが、実は世界で毎日約15,000もの化学物質が新しく生まれていると言われています。すごいですよね。日本において、新しい化学物質を役所に届出した件数としては、毎年600件くらいあるらしいですね。こうした新しい化学物質は、電気・電子材料や塗料、コーティング剤などに使われることが多いそうですね。化審法では、そうした新しい化学物質を、日本で作ったり輸入したりする前に、役所の審査を受けなければならないんですね。それが化審法の規制内容の1つ目です。だから化学物質の製造者や輸入者が主な対象になっています。

そして2つめが上市後の化学物質に関する管理ですね。上市というのは、作ったり輸入したあとに、市場・マーケットに出回ることを言います。市場に流通したあとも義務があるんですね。具体的には、新規化学物質だけでなく、既存化学物質も含んで、一定数量以上の製造・輸入を行った事業者に製造数量等の届出義務を課しています。また、リスク評価を優先的に行う物質が定められているんですが、そうした化学物質について、製造・輸入数量(実績)等の届出、事業者間における情報の提供、有害性等の調査、有害性情報の報告、取扱いの状況に関する報告等といったことが求めれています。

3つは化学物質の性状等に応じた規制です。これは次のスライドを見てもらいましょう。

化審法での規制内容の3点目ですが、化学物質の性状に応じて、こういう分類が化審法でされています。性状というのは、「難分解性」(自然環境ではかんたんに分解しないもの)、「高蓄積性」(生物の体内に蓄積しやすいもの)、「人への長期毒性」「動植物への毒性」(人や動物に対して長期の毒性を有するもの)という性状のことを指します。

第一種特定化学物質は「難分解性」もあって、「高蓄積性」もあって、人や動物に対して長期の毒性を有するものという、とてもヤバい化学物質です。代表的なものにはPCB(ポリ塩化ビニル)があります。このポリ塩化ビニルが、化審法ができたきっかけともいえる物質なんですが、1968年にカネミ油症事件という公害事件が起きたんですね。それはPCBが混入した食用油を口にした人が大変な被害を受けたという事件なんですが、この事件をきっかけに1973年に化審法が制定されました。ですので、当然第一種特定化学物質は、規制のレベルが高くて、製造・輸入・使用は原則禁止です。PCBに限って言うと、PCBの製造や輸入ついてはこの化審法で規制されていますが、廃棄や保管についてはPCB特措法というまた別の法律で規制されていますね。

化審法で定められた化学物質としては、第一種特定化学物質ほどやばくはないですが、リスクが比較的高い第二種特定化学物質なども、製造・輸入数量や用途等の届出が必要です。

化管法はPRTR制度とSDS制度を定めた法律

では次に化管法についてもう少し詳しく見ていきましょう。化管法は大きく分けて2つの制度を定めています。

一つがPRTR制度です。PRTRとは、Pollutant Release and Transfer Registerの略であり、化学物質排出移動量届出制度といって意味です。なにを届出するかというと、対象事業者(24の対象業種であり、従業

員数が21人以上であり、規制対象となる化学物質の年間取扱量が一定以上の事業所がある事業者)は、個別の事業所ごとに、前年度の第一種指定化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、都道府県を経由して国に届出するという制度です。排出量とは、大気・水域・土壌などへ排出された量のことで、移動量とは廃棄物などとして移動した量です。こうした事業所ごとの排出量、移動量は、国が集計し、国民に広く公開しています。環境省が公開している「PRTRけんさくん」という、PRTRデータの閲覧ソフトで、事業所ごとの排出量・移動量を見ることができるんですね。なんのためにこうしたデータを収集して国民に公開しているかというと、化学物質が、どこから出てどこへ行っているのか、それはどのくらいの量なのか、といった基本的な情報を、行政、事業者、国民などすべての関係者で共有するためだそうです。

一方のSDS制度とは、化管法で指定された化学物質、またはそれを含む製品を他の事業者に譲渡・提供する際に、化管法SDS(安全データシート)を交付して、その化学物質の特性や取扱いに関する情報を提供する制度です。SDSについてはこのあと詳しく見てみたいと思います。

SDSというのは、化学物質の用途や成分、有害危険性、火災・漏洩時の処置方法などをまとめた情報のことです。対象となる化学物質を販売などするときに、このSDSをお客さんに渡さないといけないという制度です。SDSをもらった側は、これを作業場に掲示したり、従業員が内容を確認できるところに保管したりする必要があります。いまご覧いただいているのが、厚労省が公開しているトルエンのSDSのサンプルですが、ここに、化管法の第一種指定化学物質であると書いていますね。

ISO14001の審査ではどういう点を見られるか

ISO14001の審査員の立場からいうと、SDSをどう管理しているかというのは、審査の現場でもよくヒアリングする内容の一つですね。SDSって内容がちょくちょく更新されるんですよね。SDSの更新の義務はいまのところはないんですが、有害危険性や非常時の措置などの記述が変わったら、従業員の安全に関わることですので、極力、新しいSDSを入手したほうが望ましいんですよね。

そういった観点で、SDSの更新の有無をどう確認しているのかという手順を聞いたり、SDSが現場のどこに保管され、閲覧できる状態になっているのか等は、ほぼ確実に確認するところの一つかなと思います。環境法令全般にいえますが、基本的には安全や生命に関することですので、法の内容をしっかり理解して、求められていることを遵守するようにしていただきたいと思います。

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