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【企業不祥事解説シリーズ】代表が偽の契約書を作って会社のお金を着服?(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

企業不祥事解説シリーズ、今回はポールトゥウィンホールディングスのグループ会社における金融・会計不正について、今年の9月14日に公開されたばかりの第三者報告書を読んで見たいと思います。

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ご注意事項

この記事のスタンスは「罪を憎んで人を憎まず」です。不祥事の当事者をさらし挙げたり、けなしたりする意図はありません。第三者委員会の報告書内容をただ紹介するだけです。根拠に基づかない独自の解釈や評価は一切しません。

動画でも解説しています(無料・登録不要)

今回参照した特別調査委員会第三者報告書

 

不祥事を起こした企業の概要

今回の不祥事は、ポールトゥウィンホールディングスという会社の子会社、株式会社HIKEで起きました。

ポールトゥウィンホールディングスという会社は、デバッグアウトソーシング事業と言い、ゲームソフトなどのバグ修正を請け負うのが主な仕事の一つです。なかなかユニークなビジネスですよね。海外展開も積極的にしており、直近の決算では、グループ全体の売上が約400億円、営業利益が27億円だそうです。

そして、不祥事の舞台となったのが株式会社HIKEです。この会社は、2018年3月に2人の創業者によって立ち上げられた会社で、ゲーム事業とアニメ事業という2つの事業を柱としています。

HIKEは、創業からわずか1年半程度で、ポールトゥウィンホールディングスの傘下になりました。親会社がゲームのデバッグを得意としていたため、ゲーム事業を持つHIKEとのシナジーがあったんでしょう。そして、ポールトゥウィンホールディングスから資金提供を受け、HIKEは業務を急拡大しました。直近の決算は不明ですが、グループ全体のIR情報から推測すると、売上は30億円程度だと思われます。

不祥事が発生したのはHIKEのゲーム事業部門です。HIKEは自社でゲームを開発するのではなく、海外で開発されたゲームのライセンスを購入しています。それを外注先に委託してローカライズ、つまり日本語化した後、日本の市場で販売するというビジネスモデルを持っています。この部分で不祥事が起きたのです。

不祥事の概要

では、どんな不祥事だったのか、具体的に見てみましょう。様々な手口がありますが、代表的な例として、今回はソフトウェアのライセンス購入に関する不祥事を取り上げます。

まず、ゲーム開発事業者からライセンスを取得する通常の取引の流れを見てみましょう。HIKE社は、海外のゲーム開発企業とライセンス取得の契約を結び、ライセンス料を開発会社に支払います。これが、不正のない通常の取引です。

では、不正取引はどのように行われたかというと、HIKEの創業者であり、代表取締役の一人であるAさんが、偽の契約書を作成しました。そして、会社に「新しい案件が決まった。これが契約書だ。これに基づいてライセンス料を払ってほしい」と指示をしました。 会社は、指示された口座にライセンス料を支払いましたが、この口座は実はAさんの共謀者のものでした。不正に取得したライセンス料を、HIKE社の従業員であるCさんが受け取り、その後Aさんに現金で手渡したというのが、その流れのようです。

このように、偽の契約書や請求書を作って、会社のお金を着服していたわけです。この手口はライセンス料の不正取得に関するものでしたが、Aさんは同じような方法でローカライズの外注費も不正に取得していたようです。この偽の契約書や請求書を使った手口で、計25件、総額1億7,200万円を着服していたことが判明しました。Aさんが作ったのはニセの契約書で、しかも納品の実態もなかったようですから、すぐバレそうな気はしますけどね。

次回は、不祥事が起きた原因(背景)と、第三者委員会による再発防止策の提言について解説します。

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